昨年8月に行われた総選挙の結果、自民党は国民から厳しい批判を受け下野し、鳩山内閣が誕生した。新政権は実現困難と思われる多くのバラ色のマニフェスト実施に向けて、前政権が立案した未実施事業の凍結・見直しと22年度予算編成において、民間人を含めた事業仕分けを行い、無駄の洗い出しで財源捻出を図ろうとした。しかし、マニフェスト実現のための原資とするほどの財源を見つけることは出来なかった。
 民主党は国政の場において官の介入を許さず、政治主導を強く押し出した。
 厚生労働大臣は医療に対しても政官民共同作業を排するとし、中医協の委員選任において政治主導を発揮し日医の代表を委員からはずすという暴挙で大方を驚かせた。
 平成22年4月の診療報酬改定では、全体で0.19%、本体で1.55%、医科本体では1.74%引き上げが実施された。診療報酬全体でプラス改定となったのは、平成12年以来10年振りであるが、期待に反する小幅な改定であったため、地域医療の崩壊を阻止するには不十分なものである。医師の過半数に期待感を抱かせ、民主党を後押しさせた「医療費をOECD諸国の平均まで上げる」(民主党INDEX2009)という選挙公約はまったくのまやかしだったとしか言いようがない。
 そうした中、平成22年4月1日、日医会長選挙で原中勝征(かつゆき)新会長が就任した。新執行部には、国民の生命と安心を守る組織としての責任と誇りを持って、“医の本道”に立ち、医療現場の諸課題を改めて整理しながら、国民生活を支えるためのあるべき医療の実現に向けて、引き続きエビデンスに基づく政策提言を行うことで、わが国の再生に寄与して欲しい。
 現在、滝川市も独自に地域の基幹病院として、滝川市立病院の建て替えを進めている。地域に根ざした質の高い医療を確保するため、一日も早く実現するよう、我々も現在の計画を全面的に支援・推進する。
 「公益財団法人そらぷちキッズキャンプ」の名で、滝川市江部乙の丸加高原の一部に、日本で初めて、アジアでも初めてとなる、小児がんなどの難病と闘う子どもたちが、安全に安心して自然体験が楽しめるよう、医療的なバックアップ体制が整ったキャンプ場の実現に向けた努力が、ボランティア活動として、着実に進んでいる。今年は、施設建設を大きく進める年になる。この「そらぷちキッズキャンプ」実現のためには、我々医療関係者を中心に、滝川市民、さらには北海道民が、全国の力強い支援者の方々と共に、みんなで支援する運動を起こさなければならない。滝川市医師会として、今年も全力を尽くし支援して行きたい。
 急速に迫り来る少子高齢化社会の進展と社会構造の変化により、各地域において、医師不足・偏在、救急医療や小児医療の問題、産婦人科医の不足、勤務医の過重労働、療養病床の再編と地域ケア整備構想、医療計画の見直しなど多くの課題が山積しているが、いかなる状況下においても、安全で安心な医療を提供するために最善を尽すことは、地域住民の生命と健康をあずかるわれわれ医療提供者に課せられた最も大切な社会的責務であり、今後も、会員各位の努力と協調のもと、難局を乗り切る決意である。
 その目的達成のため、具体的事業項目を以下に述べ、事業を行ってまいりたい。
 

1.

医の倫理の高揚と医療の安全強化

 

 プロフェッションとして高い倫理観を持ち、生涯教育のさらなる充実、自浄作用の強化など、良質で安全な医療の確保を図りたい。

2.

生涯教育の充実・推進

 

 日本医師会生涯教育講座、北海道医師会認定生涯教育講座、滝川市医師会主催生涯教育講座、滝川市立病院主催生涯教育講座、砂川市立病院主催生涯教育講座、滝川三師会主催生涯教育講座、全国各種大学、各種専門医学会、北海道滝川保健所、各種団体、各種メーカー主催生涯教育講座等への援助、協力並びに積極的参加。

3.

保健・医療・福祉政策への積極的対応と参加

 

 医療保険、介護保険、医療法等の改正に対し積極的に対応し、また地域医療供給システムの確立に努め、よって滝川市民の健康への維持・確保に寄与したい。

4.

医師会の在り方の検討

 

 地域に密着した医療提供がますます要求される時代にあって、ニーズに合ったサービスをきめ細やかに提供していかなければならない。その目的達成のため医師会そのものの在り方を思考することが必要である。

5.

情報の収集、管理、提供の適正かつ効果的取り扱い

 

 個人情報保護法において一層プライバシーを尊重し、また一方、情報開示をし、説明責任と透明性を確保しつつ、情報を適切かつ効果的に取り扱う。

6.

地域医療確保のため、病診連携の一層の推進

 

 滝川市立病院の建て替えについては、地域の基幹病院として、地域に根ざした質の高い医療を確保するため、さらなる発展を期するために、一日も早く実現するよう、現在の計画を全面的に支援・推進する。

7.

救急医療体制の確保

 

 マンパワー不足、とりわけ医師不足、財源不足で、利用者の要求度を満足させることが困難なことが多い。医療関係者の犠牲のもと、善意で維持されているが、それも限界に近い。国、道、広域で、住民、行政、医療関係者で知恵を絞り、より安心できる、よいシステム構築に向け努力する。

8.

滝川市との連携強化
   地域健康教室、救急の日講演会、市民健康祭り、市民健康フォーラム、市民対象の生活習慣病予防対策、地域の健康支援・環境づくり対策などを推進・支援する。

9.

学校保健、産業保健の推進
   学校医、予防接種など学校保健活動を推進する。地域企業への浸透を図り、生活習慣病の予防に努め、産業保健センターの運営を推進する。

10.

医療関係団体との連携と資質の向上

 

 滝川三師会を初めとする関係団体との事業協力を計り、併せて資質の向上を目指す。

11.

「公益財団法人そらぷちキッズキャンプ」への支援・協力

 

 

12.

会員相互の親睦推進

 

あらゆる機会を通じて会員相互の親睦推進を図る。

2010.5 滝川市医師会総会にて承認